2017年11月20日

「患者様のつぶやきから・・・」

テレビの報道番組を見た患者様が、「富士通も中国に取られたか・・・。」と言われた。富士通が中国の企業の傘下に入ったという報道であった。確かに最近そういう報道が多い。日産は仏ルノー傘下に、三洋は中国のハイアール傘下に、シャープは台湾企業に買収された。シャープは、会社の顔ともいうべき「亀山モデル」の液晶テレビの生産拠点を台湾に移した。東芝に至っては、買収した米ウェスティングハウスの巨額の負債が発覚し、原子力部門からの撤退、東証2部降格、主力部門であった半導体事業を手放すことを検討している。家電量販店にも変化がみられる。日本企業の独断場であった液晶テレビの売り場は、サムスンやLG等の韓国企業のスペースが広くなった。



街の風景も変貌を遂げている。商店街には閑古鳥が鳴き、大型商業施設には人が溢れ返っている。皆一様にスマホと睨めっこしている。昔の恋人がSNSしていれば、現状が簡単に分かるとテレビで言っていたが、笑えない話である。現代人は、何でも分かる便利なツールを手に入れた代償に、もう二度と会えなくなるとか知る事が出来ないと言った貴重な経験をする機会が減ったと思う。確かに、スマホは便利なツールである。共働きの家庭にとっては、子供の状況をいつでも確認できる貴重な存在であることは、間違いない。しかし、30年前は、共働きをしなくても父親の収入だけで、家族の生活を賄えている家庭が多かった。共働きの家庭は今より少なく、母親が家で家庭を守る事が出来た時代であったと思う。一億総中流と言われた時代、今のような貧富の差はなかった。親は子供と接する時間を今よりも作れる環境にあった。日本の有り様は、大きく変わったように思える。



便利な世の中にはなったが、現代人が30年前のように豊かだとは思えない。時代の変遷と言えばそれまでだが、余りにも悲しい変化である。30年前の日本人には、自分たちが世界をリードしているという気概や誇りがあったように思う。では、現在はどうだろう?患者様は言われる。「1960年代、私達も貧しかったけど、今より明るい時代だった。」と。現代を生きる私達も明るく誇りを持っていきたいな、と思う今日この頃である。


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posted by 福岡聖恵病院 at 17:27 | めぐみだより